
海外FXの信託保全とは?分別管理との違いや安全性の見極めるポイントについて知りたい!
海外FX業者の信託保全について疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
海外FX業者には信託保全を採用しているところもありますが、分別管理を採用しているところも多く存在します。
本記事では、分別管理と信託保全の違いや、海外FX業者の安全性を見極めるポイント、そして信託保全に対応した業者を一覧で解説しています。ぜひご覧くだい。
- 海外FXの信託保全とはFX業者が破綻したときに、金融機関が代わりに補償する制度のこと。
- 分別管理との違いは顧客の資金を第三者が必ず管理している点。
- 信託保全に関する注意点は、海外FXの場合は義務ではない。
- 海外FX業者の安全性を見極めるポイントは金融ライセンスの有無と保証制度である。
海外FXの信託保全とは

海外FXの信託保全とは、FX業者が破綻したときに、金融機関が代わりに補償する制度のことです。信託保全を行っていれば、業者が破綻した場合でも、一定額の資産が保証されます。
この制度では、投資家の資産を自社の財産と完全に切り離し、信託銀行や信託業務を兼営する銀行などに分別保管します。業者が破綻した場合は、信託先の銀行から資金が返還されます。
資産は第三者機関の監視下にあり、ブローカーの一存で資金を動かすことができないため、より高い安全性が確保されています。

信託保全は、トレーダー側が何か特別な負担を負う必要はなく、手続きやコストは海外FX業者側が負担するため、トレーダーにとって非常に安心できる制度と言えるでしょう。
信託保全を採用しているかどうかは、FX業者を選ぶうえで大事なことです。しかし、信託保全を採用していなくても、安全性の高いFX業者は存在します。安全性を重視した人向けの海外FXのおすすめ業者を知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

会社が倒産・破綻したときに効力がある
海外FXの信託保全は、会社が倒産・破綻した場合に効力があります。例えば、英国金融行動監視機構(FCA)の補償を利用される場合は、1つの金融機関に付き上限8万5,000ポンド(約1,600万円)まで補償されます。
ただし、全額保証される場合と一部のみ保証される場合があるので注意が必要です。
預けたお金が返ってこないというのは不思議に思うかもしれません。会社が倒産・破綻した場合、必ずしも顧客資金が顧客に返金されるわけではなく、他の債務者への清算手続きが優先される可能性があります。
注意点としては、為替変動による損失は補償されないという点です。詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。
海外FXでの信託保全と分別管理の違い

分別管理では、信託保全のように顧客の資産をFX業者のの運営資金とは別の口座で管理しますが、信託銀行を利用しない場合もあります。
つまり、第三者機関による監視が必ずしも行われないため、資金の管理はブローカーの姿勢や規制機関による監督に依存します。
ブローカーが顧客資産を流用する可能性や、倒産時に資産が保証されないリスクがあります。
海外FX業者の信託保全・分別管理対応状況まとめ表
海外FX業者が実施している信託保全および分別管理に関する対応状況、資金管理体制、補償上限額、保有しているライセンスを以下でまとめています。
海外FX業者 | 資金管理体制 | 補償上限額 | 保有ライセンス |
---|---|---|---|
XM![]() | 分別管理 | 全額 | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) FSC(ベリーズ) ASIC(オーストラリア) DFSA(ドバイ) FSA(セーシェル) FSC(モーリシャス) |
Vantage![]() | 分別管理 | 全額返金保証はなし | FCA(イギリス) VFSC(バヌアツ) CIMA(ケイマン諸島) ASIC(オーストラリア) FSCA(南アフリカ) |
HFM![]() | 分別管理 | 最大500万ドル | CySEC(キプロス) FSC(モーリシャス) FSA(セーシェル) FSCA(南アフリカ) DFSA(ドバイ) FCA(イギリス) CMA(ケニア) |
FXGT![]() | 分別管理 | 100万ユーロ | CySEC(キプロス) FSA(セーシェル) FSCA(南アフリカ) VFSC(バヌアツ) |
BigBoss![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBC(セントビンセント およびグレナディーン諸島) MISA(コモロ連合) FINTRAC(カナダ) FIZ(ジョージア) |
AXIORY![]() | 信託保全 | 全額保証 | FSC(ベリーズ) |
Exness![]() | 分別管理 (ただし信託銀行に預けているため、実質信託保全) | 情報なし | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) FSA(セーシェル) BVIFSC(英領バージン諸島) CBCS(キュラソー) FSC(モーリシャス) FSCA(南アフリカ) CMA(ケニア) |
easyMarket![]() | 分別管理 | 情報なし | CySEC(キプロス) ASIC(オースラリア) BVIFSC(英領バージン諸島) FSCA(南アフリカ) |
TitanFX![]() | 分別管理 | 情報なし | VFSC(バヌアツ) FSA(セーシェル) FSC(モーリシャス) BVIFSC(英領バージン諸島) |
iFOREX![]() | 分別管理 | 情報なし | CySEC(キプロス) BVIFSC(英領バージン諸島) |
ThreeTrader![]() | 分別管理 | 情報なし | VFSC(バヌアツ) |
IronFX![]() | 分別管理 | 情報なし | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) ASIC(オースラリア) FSCA(南アフリカ) |
Land Prime![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBG(セントビンセント・ グレナディーン諸島) |
IS6FX![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBC(セントビンセント 及びグレナディーン諸島) MISA(コモロ連合) FSC(モーリシャス) |
海外FX業者 | 資金管理体制 | 補償上限額 | 保有ライセンス |
---|---|---|---|
XM![]() | 分別管理 | 全額 | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) FSC(ベリーズ) ASIC(オーストラリア) DFSA(ドバイ) FSA(セーシェル) FSC(モーリシャス) |
Vantage![]() | 分別管理 | 全額返金保証はなし | FCA(イギリス) VFSC(バヌアツ) CIMA(ケイマン諸島) ASIC(オーストラリア) FSCA(南アフリカ) |
HFM![]() | 分別管理 | 最大500万ドル | CySEC(キプロス) FSC(モーリシャス) FSA(セーシェル) FSCA(南アフリカ) DFSA(ドバイ) FCA(イギリス) CMA(ケニア) |
FXGT![]() | 分別管理 | 100万ユーロ | CySEC(キプロス) FSA(セーシェル) FSCA(南アフリカ) VFSC(バヌアツ) |
BigBoss![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBC (セントビンセントおよびグレナディーン諸島) MISA(コモロ連合) FINTRAC(カナダ) FIZ(ジョージア) |
AXIORY![]() | 信託保全 | 全額保証 | FSC(ベリーズ) |
Exness![]() | 分別管理 (ただし信託銀行に預けているため、実質信託保全) | 情報なし | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) FSA(セーシェル) BVIFSC (英領バージン諸島) CBCS(キュラソー) FSC(モーリシャス) FSCA(南アフリカ) CMA(ケニア) |
easyMarket![]() | 分別管理 | 情報なし | CySEC(キプロス) ASIC(オースラリア) BVIFSC (英領バージン諸島) FSCA(南アフリカ) |
TitanFX![]() | 分別管理 | 情報なし | VFSC(バヌアツ) FSA(セーシェル) FSC(モーリシャス) BVIFSC (英領バージン諸島) |
iFOREX![]() | 分別管理 | 情報なし | CySEC(キプロス) BVIFSC (英領バージン諸島) |
ThreeTrader![]() | 分別管理 | 情報なし | VFSC(バヌアツ) |
IronFX![]() | 分別管理 | 情報なし | FCA(イギリス) CySEC(キプロス) ASIC(オースラリア) FSCA(南アフリカ) |
Land Prime![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBG (セントビンセント・グレナディーン諸島) |
IS6FX![]() | 分別管理 | 情報なし | SVGIBC (セントビンセント 及びグレナディーン諸島) MISA(コモロ連合) FSC(モーリシャス) |
基本的に海外FX業者は、信託保全ではなく、分別管理を採用しています。
自身の取引スタイルや目的に合ったFX業者を見つけて、安心して取引を始めましょう。
海外FX業者が信託保全を採用しない理由

海外FX業者が信託保全を採用しない理由は、日本と海外で規制での違い、顧客資金保護のための別の仕組みが整備されている、導入コストがかかるという3つの理由があります。
日本と海外で規制が違うから
日本国内のFX業者は金融商品取引法により顧客資金の信託保全が義務付けられており、すべての国内業者が信託銀行を用いた資金保全スキームを整備しています。
なぜなら、2007~2008年頃に国内FX業者の破綻や顧客資金消失事件が相次いだことを受け、日本では顧客証拠金の区分管理方法を信託銀行への金銭信託に一本化する規制改正が行われましたからです。
一方で海外では多くの国で信託保全が法律上の義務ではありません。世界中に存在する3000社以上の海外FX業者のほとんどは、法令上要求されていないこともあり顧客資金を「分別管理」のみに留めているのが実情です。
顧客資金保護のための別の仕組みが整備されているから
欧州連合のMiFID(金融商品市場指令)下では、顧客資金保護のため別の仕組みが整備されています。MiFIDに準拠する英国やキプロスなどでは、顧客資金を会社資金と分離保管する義務に加え、投資家補償基金等への加入義務があります。
たとえばキプロスの規制当局(CySEC)は投資家補償基金(ICF)への加盟を義務付けており、万一業者が破綻した場合は顧客一人当たり最大2万ユーロまで補償されます。
また英国FCA規制では金融サービス補償機構(FSCS)への加入が必須で、破綻時に顧客一人当たり最大8.5万ポンドが補償されます。
このようにEU圏では法令で信託銀行を使った保全を直接求めずとも、分別管理の徹底と公的な補償スキームによって顧客資金を保護する方針となっています。
導入コストがかかるから
信託保全を自主的に導入するには、信託口座を開設できる金融機関との契約や外部監査人の監督など、相当のコストと手間がかかります。
例えばベリーズFSC傘下で自主的に信託保全を行っているAXIORYの場合、国際会計大手PwCの監査のもとでカタールのドーハ銀行に信託口座を開設し顧客資金を管理するという複雑な体制を敷いており、こうした高度な管理体制を維持するには相応の資金と組織力が必要です。
信託銀行と提携できる地域が限られる問題もあり、信託業務を行う銀行が身近に存在しない国の業者にとって、わざわざ海外の信託銀行と契約関係を結ぶハードルは高いと考えられます。

以上のような導入難易度の高さから、海外ブローカーの大半は法令で義務付けられない限りコスト削減の観点で信託保全を採用しない傾向があります。
海外FXでの信託保全に関する注意点

信託保全は顧客に非常に有利な制度ですが、全額保証されない、海外FXでは義務付けされていないなどの注意点が存在します。
さらに詳しく以下の項目から信託保全に関する注意点について解説します。
海外FXでは信託保全は義務ではない
日本国内では信託保全が義務化されています。なぜなら日本国内で営業する場合は、日本の金融庁(JFSA)のライセンスが必要で、取得せずに営業するのは法律違反だからです。
しかし、海外FXの信託保全は義務ではないので、信託保全をしていなくても違法にはなりません。
その代わり、海外FXの場合は、信託保全が義務付けられている金融ライセンスを所持していない場合、違法になります。
管理方法が突然変更されることがある
海外FXの場合、FX業者が今まで信託保全を行っていたの突然分別管理に資金管理方法を変えるといった事例もあります。
実際、XM Tradingは以前はキプロス証券取引委員会(CySEC)を所有し信託保全を行っていましたが、現在は分別管理で資金管理をしています。
国内FXの場合、金融庁の規制により信託保全が義務なので勝手に資金方法を変えると違法に当たりますが、海外FXの場合は違法にならないので注意が必要です。
為替変動による損失は補償されない
海外FXの信託保全は、会社が倒産または破綻した場合に顧客の資金を保護する仕組みですが、為替変動による損失には適用されません。
つまり、顧客がトレードで損失を出した場合、その損失は補償されないということです。
信託保全は、金融機関の財務状態が悪化した際の資金保護を目的としており、顧客の取引の結果には関与しません。したがって、補償が適用されるのは会社の倒産時のみです。
海外FX業者の安全性を見極めるポイント

詳しく、以下の項目から海外FX業者の安全性を見極めるポイントについて解説します。
金融ライセンスを所持しているか
海外FX業者の安全性を判断するには、金融ライセンスを所持しているかを確認することが重要です。
仮に金融ライセンスを所持していない場合、第三者機関による審査や監査がないため、出金拒否のリスクが高まります。
金融ライセンスを取得するためには、各国が独自に定めた厳しい条件をクリアしなければならず、これには資本要件やコンプライアンス基準が含まれます。

特に、イギリスのFCAやキプロスのCySECなどのライセンスは、取得が難しいことで知られています。
ただし、上記のライセンスは、グループ会社として取得していることはありますが、日本人向けサービスでは適応されません。
しかし、グループで安全性・信頼性の高い金融ライセンスを所持している業者の運営状態は非常に良い状態といえます。グループでの取得といえど、安全性・信頼性の目安となるでしょう。
- XM Trading
- Exness
- FXGT
- easyMarkets
- Vantage
- HFM
- XS.com
日本金融庁(JFSA)のライセンスは、安全性や信頼性がトップクラスです、
しかし、海外FX業者が日本金融庁(JFSA)のライセンスを取らないのは、日本金融庁のライセンスを取ると①最大レバレッジが25倍に抑えられる②ボーナスに制限がある③ゼロカットが適用されないといったことが起こるからです。
顧客の資金を補償する仕組みをとっているか
海外FX業者は、法律で信託保全を義務付けられているわけではありませんが、別の形で顧客の資金を守るような仕組みがあるか確認することが大切です。
例えば、AXIORYやHFMは独自の形で資金を補償しています。
AXIORYの保証制度
AXIORYは、信託保全を行う数少ない海外FX業者です。さらに、The Financial Commissionの保証制度に加入しています。
The Financial Commissionは、AXIORYと顧客との金銭面の紛争において、無償で仲裁を行い、紛争要因を公正に判断します。
The Financial Commissionの決定した処分にAXIORYが従わなかった場合、上限2万ユーロまで補償されます。
他にThe Financial Commissionに加入している海外FX業者は以下のようなものがあります。
- Exness
- Vantage
- ThreeTrader
\信託保全を実施!/
HFMの保証制度
HFMは、Renaissance Insurance Reinventedという、500万ユーロを上限とする民事賠償保険制度に加入しています。その証明書はこちらです。
さらに、HFMは、ICF(Investor Compensation Fund)に独自に加入しています。
他に、独自にICF(Investor Compensation Fund)に加入している海外FX業者としてはFXGTなどがあります。
\500万ユーロまで補償!/
過去に出金拒否などの悪い評判がないか
過去に出金拒否などの悪い評判がないか調べることも、海外FXの安全性を見極める重要なポイントです。特に、以下の評判が出回っている海外FX業者は警戒しましょう。
- 出金遅延・出金拒否の多発
- 入金ボーナスの連発
海外FX熟練者は、海外FX業者が破綻することは当たり前という感覚で行っています。
そのため、悪い評判に非常に過敏に反応する傾向があります。しかし、規約違反者やグレーゾーンで取引しているトレーダーも多いため、そういったトレーダーの口コミには注意が必要です。
規約違反した場合は、出金拒否される可能性があります。過去の悪い評判が流れていたとしても、本当かどうかは別物です。
海外FXの出金拒否のうわさや、実際にあった事例については、以下の記事で詳しく解説しています。出金拒否が心配な人はぜひご覧ください。

海外FXで信託保全がある業者で取引をするならAxioryがおすすめ
海外FXを選ぶ際に最も重要視されるポイントの一つが「資金の安全性」です。中でも信託保全の有無は、万が一の事態に備えた顧客資金保護の観点から、業者選びにおいて欠かせない判断基準となります。
その中で、AXIORY(アキシオリー)は数少ない「信託保全」を導入している海外FX業者のひとつとして、国内外のトレーダーから高い評価を得ています。

第三者機関による監査体制や「The Financial Commission」への加盟といった取り組みを通じて、資金の透明性と安全性を追求しており、2023年には「ベストセーフティブローカー賞」を受賞するなど、信頼性は折り紙つきです。
さらに、日本語サポート完備のサポートデスクが平日9時から24時まで対応しているため、はじめて海外FXを利用する方でも安心して取引を始められます。
取引環境もMT4・MT5・cTraderなど多彩なプラットフォームが用意されており、取引の自由度も高く、幅広いニーズに対応しています。
\信託保全がある圧倒的な信頼性/
安全な海外FX業者で利益を狙おう

本記事では信託保全の特徴やそのメリット、分別管理との違い、海外FX業者の安全性を見極めるための重要なポイントにについて解説してきました。
信託保全は顧客資金を最大限保護する信頼性の高い制度ですが、海外FXでは義務ではありません。しかし、保証制度に参加する海外FX会社は増えてきています。
国内FXも海外FXも保証額には上限があるので注意が必要です。また、海外FXの場合は、資金管理方法を突然変える可能性がある点も注意しましょう。
信頼できる海外業者を見極めるためには、金融ライセンスの有無や評判をチェックすることも大切です。安全な海外FX業者で取引し、利益を狙いましょう。
- 海外FXの信託保全とはFX業者が破綻したときに、金融機関が代わりに補償する制度のこと。
- 分別管理との違いは顧客の資金を第三者が必ず管理している点。
- 信託保全に関する注意点は、海外FXの場合は義務ではない。
- 海外FX業者の安全性を見極めるポイントは金融ライセンスの有無と保証制度である。