海外FXの金融ライセンスとは?取得している業者も紹介

ともや

海外FXの金融ライセンスってそれぞれどんな違いがあるの?どれが安全なのかわからない、、

近年、日本の投資家にも注目されている海外FX業者。しかし、どの海外FX業者が安全で信頼できるのか、選択に迷う人も多いでしょう。

そこでこの記事では、海外FX業者の信頼性を図る一つの指標である「金融ライセンス」について解説し、特に安全性の高いライセンスを持つおすすめ業者を一覧表にしてご紹介します。

この記事を読めば、信頼できる業者の選定ポイントがわかり、取引の安心感を得られるはずです。

この記事で分かること
りゅういち

この記事のライター:りゅういち
海外FX歴10年で、水平線と移動平均線を用いたシンプルな手法でトレードをしています。取引所の良いところから悪いところまでお伝えし、皆さんのお役に立てれば嬉しいです!

海外FXの安全性の観点から作成したランキングを知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

目次

海外FXの金融ライセンスとは

海外FXの金融ライセンスとは

海外FXの金融ライセンスは、FX業者が所在する国または地域の金融規制機関によって発行される許可証であり、投資家に対する保護や資金を保証する役割を果たしています。

金融ライセンスの取得には審査があり、顧客資産の保護、分別管理され、外部監査などの要件が課されています。

更に詳しく以下の項目から、海外FXの金融ライセンスについて解説します。

海外FXの金融ライセンスの定義

海外FXの金融ライセンスは、FX業者が顧客資産を安全に保護し、公正な取引環境を提供することを保証するための許可証です

金融ライセンスを持つ業者は、法的に規制され、必要な基準を満たしているためトレーダーにとって信頼性が高く、評価されています。

金融ライセンスには、顧客の資金を分別管理する要件や、外部の監査機関による定期チェックが義務付けられているものが多く、投資家の保護が確保されます。

海外FXの金融ライセンスの定義のまとめ
  • 【金融ライセンスの基本的な役割】:金融ライセンスは、政府や特定の金融監督機関によって発行され、FX取引業者の確保性や透明性を保証するもの。
  • 【ライセンス取得の重要性】:ライセンスを取得しているFX業者は限界の範囲内での活動が義務付けられており、取引の公正性や顧客保護に相当することが法的に求められている。金融庁、ASIC、CySECなどの監督機関が有名。
  • 【国ごとの規制レベルの違い】:金融ライセンスには取得度の難易度が異なり、難易度が高いほど規制レベルも高い。
    • 取得難易度が高い:イギリス(FCA)やオーストラリア(ASIC)、キプロス(CySEC)
    • 取得難易度が低い:バヌアツ(VFSC)やベリーズ(IFSC)
  • 【取引リスクの低減】:金融ライセンスが付与された業者は、安全な資本要件や資産の分別管理、顧客補償制度に基づいて運営されるため、顧客に対する出金拒否や資産凍結などのリスクが低くなる。
  • 【規制機関と顧客保護の仕組み】:重大な規制が行われているライセンス(例:FCA、CySEC)は、業者に顧客資産と運営資産の分別管理を義務付けており、補償制度(例:イギリスのFSCS制度)も提供されている。
  • 【ライセンス取得による信頼性】:金融ライセンスは、業者の信頼性を証明するものであり、取得している業者は信頼性が高く評価されやすい。

金融ライセンスを取得していない業者も存在しますが、それらの業者は規制が緩く第三者機関による監査がなかったり、顧客資産の安全性が低いため取引を行うことは危険です。

最低でも、本記事で紹介している金融ライセンスを取得している海外FX業者で取引を行うことが、安心できる取引環境を確保するための重要なポイントとなります。

海外FX業者が日本の金融ライセンスを取得しない理由

多くの海外FX業者は、日本の金融ライセンスである「金融商品取引業者登録」を取得していません。

日本の金融庁は、諸外国に比べてもFX業者に対して厳しい規制を課しており、特にレバレッジの制限を設けていたり、ボーナスを受け取れない等の弊害があります。

つまり、海外FX特有のハイレバレッジやゼロカットシステム、豊富なボーナスは、日本の金融庁のライセンスを所持していると実現できません。

りゅういち

海外FX業者にとって、日本の金融ライセンスを取得するメリットがほぼないので、ライセンスを取得していないんです。

海外FXの日本の金融庁ライセンス取得における主な弊害
  1. 【最大レバレッジ25倍固定】
    • 主な弊害:レバレッジ1,000倍や2,000倍などを提供できない
  2. 【ボーナスや販促活動が制限】
    • 主な弊害:豊富なボーナスの提供やキャッシュバックプログラムができない
  3. 【ゼロカットシステムの禁止】
    • 主な弊害:法律によりゼロカットが提供できない

信用できる海外FXの金融ライセンス15種類の一覧と解説

信用できる金融ライセンスは各国の金融監視が発行し、取得には厳しい条件が課されています。

海外FXの金融ライセンスの存在は、取引業者が監査を受けていることや資金が正しく管理されていることを証明することが可能です。

ライセンスの存在によって、トレーダーは安心して取引を行えます。

信頼性が高いとされる15種類の金融ライセンスとその特徴について以下の項目から解説します。

総合的な観点から選んだ海外FXのおすすめランキングを知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

ライセンス名取得難易度
【FCA】
イギリス
★★★★★
【CySEC】
キプロス
★★★★★
【FINMA】
スイス
★★★★☆
【ASIC】
オーストラリア
★★★★☆
【NFA】
アメリカ
★★★★☆
【FMA】
ニュージーランド
★★★★☆
【DFSA】
ドバイ
★★★★☆
【CIMA】
ケイマン諸島
★★★★☆
【CMA】
ケニア
★★★☆☆
【FSC】
モーリシャス
★★☆☆
【SVGIBC】
セントビンセントおよび
グレナディーン諸島
★★☆☆☆
【FSA】
セーシェル
★★☆☆☆
【VFSC】
バヌアツ
★★☆☆☆
【IFSC】
ベリーズ
★☆☆☆☆
【BVIFSC】
バージン諸島(イギリス領)
★☆☆☆☆

★★★★★【FCA】イギリスの金融ライセンス

FCA ロゴ

イギリスの金融規制機関FCA(Financial Conduct Authority)は、世界最難関の審査基準の海外FXの金融ライセンスの一つとして知られています。

2012年に設立されたFCAは、日本の金融庁も参考にするほどの審査基準を持ち、顧客保護と市場の透明性を維持するための厳格な監視を行っています。

FCAライセンスを取得するための条件には、次のような要件が含まれています。

FCAの取得条件
  1. 資本金基準】:条件を満たす資本金を保持することで、想定外の出来事が起こっても顧客の資産が保護される。
  2. 【顧客資産の分別管理】:一定以上の資本金を持つトレーダーの資産は業者の資産と明確に分けて分別管理されており、リスクから守られている。
  3. 【充実した顧客サポート体制】:サポート体制を整備し、顧客からの問い合わせに迅速に対応できる体制が必要。
  4. 【外部監査の受け入れ】:独立した監査機関の監査を受け、運営の透明性を維持する必要がある。

また、FCAのライセンス保持業者は、毎年決算書を提出し、基準を満たさなければライセンスがはく奪われる厳しい監視体制下にあります。

海外FX業者が破綻した際にも、顧客の資産が返還される保障がされています。

FCAのライセンス取得にはFSCS(金融サービス補償機構)への加入も必須で、業者が破綻して出金できない場合でも最大8万5千プリペイド(約1,000万円)まで補償される仕組みです。

このように、二重の安全ネットがFCAのライセンスを取得した業者には義務付けられており、業者負担軽減性と安全性が確保されています。

FCAを取得している業者

★★★★★【CySEC】キプロスの金融ライセンス

CySEC ロゴ

キプロスの金融ライセンス、CySEC(キプロス証券取引委員会)は、海外FX業者に対して非常に厳格な基準を設けており、取得困難度はイギリスのFCAに匹敵します。

地中海に位置するこの島国は、オフショア金融センターとして多くの海外FX業者が拠点を置いております。

2013年のギリシャショックの影響を受け、キプロス内の金融機関は営業停止に追い込まれ、その後の2016年からは規制が強化され、トレーダーの資産保護が重視されるようになりました。

ライセンスを取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。

CySECの取得条件
  • 最大レバレッジ50倍】:新規トレーダーに対しては、レバレッジを50倍に制限し、過度なリスクを避ける。
  • 【取引のボリュームに応じたボーナス提供の禁止】:取引量に応じたボーナスを提供しないことで、正当な取引環境で取引を行う。
  • 【ゼロカットシステムの導入】:トレーダーが口座残高を超えて負けないようにする仕組み。
  • 【迅速な出金手続き】:原則として出金手続きを翌日まで完了させることが求められる。

さらに、CySECに加入する業者は、投資家補填基金、ICF(Investor Compensation Fund)への加入が義務付けられています ICFに加入すると、海外FX業者が破産した際に、最大2万ユーロ(約240万円)がトレーダーに変換される仕組みです。

また、顧客の資産は分別管理され、業者の経営危機があってもトレーダーの資産が保護される仕組みが整っています。

これらの特徴により、CySECライセンスを持つ海外FX業者は、トレーダーにとって高い信頼性と安全性を提供しています。

トレーダーは、CySECライセンスを取得した業者を選ぶことで、より安心して取引を行うことができるでしょう。

CySECを取得している業者

★★★★☆【FINMA】スイスの金融ライセンス

FINMA ロゴ

スイスの金融ライセンスは、スイス金融市場監査局(FINMA)によって発行され、世界で最も信頼性が高い金融ライセンスの一つとされています。

スイス国内で金融サービスを提供するために必要な要件は非常に厳しく、特に金融機関が「外国為替公認銀行」として登録するには、高い水準の資本と厳密な資産管理体制が求められます。

FINMAの取得条件
  • 十分な資本金の保有】:スイスの金融ライセンスを取得するには、外国為替公認銀行としての登録にふさわしい運営資金を持ち、相場の大幅な変動や予期しない損失にも耐えうる財政基盤が必要。これにより、顧客資産が安全に管理され、破綻のリスクが抑えられる。
  • 顧客資産の分別管理】:顧客資産を業者の資産とは別に管理する分別管理が必須。これにより、業者の財務問題が発生した場合でも顧客資産は保護される。
  • リスク管理および内部統制の整備】:業者は十分なリスク管理体制と内部統制を整備し、金融取引の透明性と信頼性を維持する必要がある。この管理体制は、金融リスクに対応し、安全かつ効率的な運営を支える。
  • 第三者機関による定期監査】:金融機関は外部監査機関の監査を受けることが義務付けられており、適正な運営が確保されていることを第三者の視点から確認する。
  • 金融仲介業者保護基金(Esisuisse)への加入】:FINMAライセンスを保持する金融機関は、Esisuisseという金融保護基金に加入し、万が一の事態に備えて顧客資産を最大10万スイスフラン(CHF)まで補償する義務がある。これにより、顧客資産は破綻リスクから保護され、信頼性がさらに高まる。
  • 定期的な財務報告の提出】:ライセンスを維持するためには、定期的な財務報告書の提出が求められ、透明性と財務の健全性が確認される。
FINMAを取得している業者
  • Saxo

★★★★☆【ASIC】オーストラリアの金融ライセンス

ASIC ロゴ

ASIC(オーストラリア証券投資委員会)は、オーストラリア唯一の金融規制機関であり、海外FX業者や証券会社の活動を監視し、安全な取引環境の確保に努めています。

1998年に設立されたASICは、当初複数の機関と共同で市場を監視していましたが、2009年以降、すべての監視権限がASICに移管されました。現在、ASICはその厳格な基準と規制で知られ、信頼性が高い金融ライセンスのひとつとして評価されています。

ASICの取得条件
  • 資本金要件】:相場の想定外の損失に耐えられる十分な資金を持つことが必要。これは、金融機関の安定性を確保し、顧客資産の保護につながる重要な条件。
  • 顧客資産の分別管理】:顧客資産と業者資産を分けて管理することが義務付けられており、万が一FX業者が破綻した場合でも、顧客資産が保護される。
  • リスク管理体制の徹底】:リスク管理と透明性が保証されるよう、内部監査や外部機関による監査を定期的に実施し、基準に従って運営されることが求められる。
  • レバレッジ制限】:国内投資家に対しては最大30倍のレバレッジが適用され、リスクの抑制が図られており信頼性が高い。
  • ボーナスの提供禁止】:顧客に対する取引量に応じたボーナス提供は禁止されており、投資家が不要なリスクを負うことがないようにしており信頼性が高い。

オーストラリアの安定した経済基盤と透明性の高い規制体制は、信頼性の証として評価され、特に日本市場においてもASICライセンスを持つFX業者が広く利用されていました。

しかし、2014年以降、日本の金融庁はFX業者の顧客保護や取引リスク管理に関する規制強化を推進し、オーストラリアの金融当局にもその圧力がかかりました。

この結果、ASICは日本市場における海外FX業者に対し、レバレッジ規制や顧客資産の管理方法などを含むさらなる遵守事項を求めるようになり、多くの業者がこの規制への適応に難しさを感じました。

結果的に、ASICライセンスを取得している業者の一部はコストの増加や事業の制約を避けるため、日本市場からの撤退を決定しています。

現在も、日本で事業を展開している海外FX業者の中にはASICライセンスを保持している業者が存在しますが、今後さらに日本の金融庁からの規制が強まる可能性もあり、日本市場からの撤退を余儀なくされる可能性があります。

ASICを取得している業者

★★★★☆【NFA】アメリカの金融ライセンス

NFA ロゴ

NFA(National Futures Association)はアメリカの金融規制機関であり、国内におけるFX業者や先物取引業者などの金融機関に対して非常に厳格な規制を行っています。

NFAは、透明性と信頼性を確保するために、取得業者に対し厳しい審査と徹底監視をしているため、FX業者が顧客に対して出金拒否などの不正行為をすることは少ないです。

NFAライセンスを取得している海外FX業者は顧客からの信頼も高く、特にアメリカ国内での取引において高い評価を得ています。

NFAの取得条件
  • 最低資産要件】:取負債を差し引いた純資産が25万ドル(約3,700万円)以上であること。
  • 資産の分別管理】:顧客資産は業者の資産と明確に分別され、顧客保護のためのルールを厳格に遵守。
  • 定期監査の実施】:NFAの定める基準に従い、定期的な財務監査とコンプライアンスチェックを実施。
  • 徹底した顧客サポート】:顧客対応体制を整え、トラブルやクレームに迅速に対応できる組織基盤を持つこと。
NFAを取得している業者
  • FOREX.com

★★★★☆【FMA】ニュージーランドの金融ライセンス

FMA ロゴ

ニュージーランド金融市場庁(FMA: Financial Markets Authority)は、国内での金融活動に対する厳格な監視・規制を行う機関であり、特に信頼性が重視されるFX取引においても影響力を持つライセンスを発行しています。

かつて、FMAのライセンスを取得していた一部の海外FX業者が相次いで破綻したことを受け、FMAは安全性を向上するために厳格な規制を導入しました。これにより現在、FMAの金融ライセンスはニュージーランドで最も取得難易度が高いライセンスの一つとして知られています。

FMAの取得条件
  • 最低資本金の保持】:顧客資産保護の観点から、適切な資本金が求められる。
  • 顧客資産の分別管理】:顧客資産は業者の資産と厳密に分けて管理され、万が一の事態に備える仕組みを整備。
  • 定期監査の実施】:財務の健全性とコンプライアンスを確保するために、外部機関による定期的な監査を義務付け。
  • 高度なリスク管理体制】:取引の透明性やリスク管理に関する厳格な基準を遵守し、予測できない市場リスクにも対応可能な体制を整備。
  • 顧客サポートの充実】:FMAの規定に従い、顧客に対して迅速で適切なサポートを提供できる体制を保持。
FMAを取得している業者
  • FOREX.com

★★★★☆【DFSA】ドバイの金融ライセンス

海外FXが取得するドバイの金融ライセンス

ドバイの金融ライセンスは、ドバイ金融サービス局(DFSA:Dubai Financial Services Authority)によって管理されています。

DFSAは、中東・アフリカ・南アジア地域における主要な金融ハブであり、国際的な基準に準拠した規制環境であることから、信頼性はとても高いです。申請者は以下のような条件をクリアしないとライセンスを取得できません。

DFSAの取得条件
  • 【最低資本要件】:提供するサービスの形態にもよるが、健全な運営のために定められている。
  • 【経営陣・主要株主の信頼性】:申請者の過去の経営実績、状況、犯罪歴などを調査する。
  • 【分別管理の義務】:顧客の資金と運営資金を分けて管理することが義務付けられる。
  • 【定期的な報告義務】:DFSAへの定期的なコンプライアンス報告やリスク管理報告が義務付けられている。
  • 【要請に対する義務】:DFSAからの要請に対し、健全性を示す書類の提出や監査などが義務付けられている。
DFSAを取得している業者

★★★★☆【CIMA】ケイマン諸島の金融ライセンス

海外FXが取得するケイマン諸島の金融ライセンス

ケイマン諸島金融庁(CIMA:Cayman Islands Monetary Authority)はアメリカの南にある島で、ケイマン諸島の国外で行われた事業は法人税が非課税なことから、タックスヘイブンとしても有名です。

しかし、ケイマン諸島はイギリス領の国なので、CIMAの規制や法律はイギリスと似通っています。そのため、CIMAの金融ライセンスの取得難易度はとても高いです。

CIMAの取得条件
  • 【年1回の外部機関による監査】:CIMAが認可した監査人による監査が義務付けられている。
  • 【決算書の提出】:健全性報告および統計報告をCIMAへ提出することが義務付けられている。
  • 【コンプライアンス証明書】:レポート提出が義務付けられている。
CIMAを取得している業者

★★★☆☆【CMA】ケニアの金融ライセンス

海外FXが取得するケニアの金融ライセンス

ケニアのライセンスは、1989年に設立されたケニア資本市場局(CMA:Capital Markets Authority)が管理しています。厳しくもなく緩くもない取得条件から、一定の信頼性はおけるライセンスといえるでしょう。

CMAは情報発信を多くしており、「資本市場戦略計画」や「資本市場の健全性のレポート」などを公開していることからも、ある程度信頼できるライセンスであることがわかります。

CMAの取得条件
  • 【資金洗浄等防止に関する規則の遵守】:ガイドラインに含まれる規則及び規制を遵守することを義務としている。
  • 【セーフガード計画の実施】:申請者と当局によって計画されたものを実施する義務がある。
CMAを取得している業者

★★★☆☆【FSC】モーリシャスの金融ライセンス

海外FXが取得するモーリシャスの金融ライセンス

モーリシャス金融サービス委員会(FSC:Financial Services Commission)は、アフリカでの主要な金融ライセンスです。上記の☆4のライセンスと比べると取得が簡単なため、信頼性はやや落ちます

しかし、ある程度の信頼性は確保できるライセンスではあるので、取得している業者の安全性については他に取得しているライセンスと合わせて考えると良いでしょう。

FSCの取得条件
  • 【多角的な審査】:内部統制体制やマネーロンダリング防止策、資本要件などの審査がある。
  • 【一定期間の実務拠点確保】:ペーパーカンパニーが取得するのを防ぐために、一定期間の実務拠点確保を義務付けている。
FSCを取得している業者

★★☆☆☆【SVGIBC】セントビンセントおよびグレナディーン諸島の金融ライセンス

セントビンセントおよびグレナディーン諸島の金融ライセンスであるSVGIBCは、比較的簡単に取れるライセンスなため、やや安全性が心配です。

しかし、公式サイトでは登録している金融機関が公開されている点などから、一定の信頼性は持っているライセンスなため、取得業者の他のライセンスも参考にしつつ安全性を考えるのが良いでしょう。

ここで注意しなければならない点は、同じくセントビンセントおよびグレナディーン諸島の金融機関であるSVGFSAは、FX業者へのライセンス発行は行っていない点です。SVGIBCととてもよく似ていますが別物なので、SVGFSAのライセンスを取得しているとうたう業者は要注意でしょう。

The FSA does not issue any licenses to carry on the business of FOREX Trading or Brokerage or Binary Options Trading nor does the FSA “Regulate, Monitor, Supervise or License” International Business Companies (IBCs) which engage in such activities.

SVGFSA公式サイトより引用

以下はこれを翻訳したものです。

FSA は、外国為替取引、ブローカー業務、バイナリー オプション取引の事業を行うためのライセンスを発行しておらず、また、FSA は、そのような活動に従事する国際ビジネス会社 (IBC) を「規制、監視、監督、またはライセンス付与」していません。

SVGFSA公式サイトより引用

SVGIBCを取得している業者

★★☆☆☆【FSA】セーシェルの金融ライセンス

FSA ロゴ

セーシェルの金融ライセンスは、セーシェル金融サービス庁(FSA: Financial Services Authority Seychelles)によって管理されています。

FSAは2013年に設立され、それ以前はSIBA(Seychelles International Business Authority)がこの役割を担っていました。

他の主要な海外FX業者の金融ライセンスと比較すると、FSAのライセンスは信頼性や安全性がやや劣るとされていますが、ライセンス取得の基準には分別管理が義務付けられているため一定の資産保護対策が行われています。

FSAの取得条件
  • 分別管理の義務】:顧客資産と業者の運営資金を分けて管理する「分別管理」が義務付けられており、顧客の資金が適切に保護されるようにしている。
  • 会計監査や自己資本規定はなし】:他国の厳格なライセンスと異なり、FSAには会計監査や自己資本の具体的な規定がない。そのため、他国と比べると規制基準が緩やか。
FSAを取得している業者

★★☆☆☆【VFSC】バヌアツの金融ライセンス

VFSC ロゴ

バヌアツ金融サービス委員会(VFSC: Vanuatu Financial Services Commission)は、バヌアツ共和国における金融ライセンスを管轄する機関です。

バヌアツはタックスヘイブンとして知られています。

タックスヘイブン:課税が完全に免除されたり、著しく軽減されたりしている国や地域のこと

所得税や法人税がないことから多くの海外FX業者などの金融業者が拠点を置いていますが、2019年以降に金融ライセンスの取得基準が大幅に強化され、信頼性・安全性が向上していました。

このように信頼性の向上に取り組んだ結果、ペーパーカンパニーがこのライセンスを取得する難易度が上がりました。

VFSCの取得条件
  • 取締役の経験要件】:法人の取締役には5年以上の証券取引経験が必要。
  • 居住要件】:法人の経営者もしくは取締役のうち少なくとも一人は、年間の半分以上をバヌアツ国内で過ごすことが義務付けられている。
  • 【保険加入】:専門職業賠償責任保険への加入が必要。これにより、顧客に対して発生する可能性のある損害を最大50万ドルの保険でカバーする仕組みが導入されている。
  • 【ライセンスのクラス分け】:金融ライセンスはA、B、Cの3つのクラスに分類され、クラスごとに提供可能な金融サービスの範囲が異なる。

バヌアツのVFSCライセンスは他国の海外FXの金融ライセンスに比べ、ペーパーカンパニーの設立や不正行為を防ぐための要件が強化されている一方、他国と比べて信託保全や補償制度の点でやや劣る部分もあります。

しかし、法人取締役や管理者に求められる経験や居住要件などにより、以前と比べて透明性と信頼性が向上しました。

このように、VFSCのライセンスはタックスヘイブンに拠点を置く業者としては強固な管理体制を整えたものとなっており、近年は信用を重視するトレーダーからの支持も増えつつあります。

VFSCを取得している業者

★☆☆☆☆【IFSC】ベリーズの金融ライセンス

IFSC ロゴ

ベリーズの国際金融サービス委員会(IFSC)は、ベリーズを金融センターとして確立するために設立された金融規制機関です。

IFSCの金融ライセンスは、海外FX業者などの海外企業誘致のために金融ライセンスが比較的緩く設定されているため、多くの企業がベリーズの金融ライセンスを利用しています。しかし、規制の緩さゆえに、信頼性は他国の金融ライセンスと比較して低めとされています。

IFSCの取得条件
  • 最低自己資本金】:金融ライセンス取得には最低50万ドル(約5,000万円)の自己資本金が必要とされている(2017年から適用)。
  • 【ペーパーカンパニーでも取得可能】:ベリーズ国内にオフィスや実際の拠点を持たない企業でもライセンスを取得でき、実体を持たないペーパーカンパニーでも金融ライセンスを取得できる。
  • 【タックスヘイブンとしての特性】:ベリーズ国外で得た収益はベリーズ国内で申告する義務がないため、税負担を抑えたい企業が集まりやすい環境となっている。

IFSCの金融ライセンスは、「分別管理」や「信託保全」といった厳格な海外FXの保証制度が義務付けられていません。

また、取締役や経営陣に対する特定の基準もなく、他国の金融規制と比べると厳密な管理が行われていないため、顧客資産の安全性や信頼性においては慎重な見極めが必要です。

このように、IFSCのライセンスは取得が比較的容易で、ベリーズを拠点とする企業にとってコストを抑えつつ事業を展開することが可能ですが、信頼度と安全性はやや劣る側面があります。

IFSCを取得している業者

★☆☆☆☆【BVIFSC】バージン諸島(イギリス領)の金融ライセンス

BVIFSC ロゴ

金融ライセンス取得の基準はイギリス本土(FCA)とは異なり、金融機関が破綻した場合の顧客資産の補償が基本的に定められておらず、安心して利用できるとは言えません。

カリブ海に位置する英領バージン諸島は、金融サービスが有名な地域として知られています。

その金融ライセンス認証にはイギリス本土(FCA)とは異なり、海外FX業者などの金融機関が破綻した場合の顧客資産の補償が基本的に定められておらず、安心して利用できるとは言えません。

BVIFSCの取得条件
  • 会社登録】:英領バージン諸島での法人登録が必須。
  • 事業計画の提出】:金融ビジネスの運営に関する詳細な事業計画書が求められる。
  • 適格性審査】:役員および主要株主に対する適格性の審査が行われ、犯罪歴の確認や健全性が評価される。
  • 最低資本金】:金融ビジネスの種類に応じて最低資本金が設定されており、その基準を満たす必要がある。
  • 法令遵守体制】:マネーロンダリング対策など、法令遵守のためのシステムおよび手続きを構築することが求められる。

バージン諸島では、金融機関が危機に陥った場合に顧客資産を補償する制度が基本的に設けられていないため、利用者には自己責任が求められます。そのため、利用に関しては信頼性やリスクを十分に検討する必要があります。

BVIFSCを取得している業者

日本居住者が日本のライセンスを持たない業者で取引をするのは違法?

日本のライセンスがない業者で取引するのは違法?

日本居住者が日本の金融庁ライセンスを持たない海外FX業者で取引を行うこと自体は違法ではありません。

日本の金融商品取引法では、外国の業者が日本国内で営業活動を行う場合、日本金融庁のライセンスが必要とされています。

ただし、日本の居住者が自らの意思で海外の金融業者と取引を行うことには特に法的な規制がなく、自己責任で取引が可能です。

ただし、日本の金融庁がライセンスを付与していない業者を利用する場合、トラブル時の対応や資産保護については国内業者と異なり自己責任となるため、利用する際には十分な調査と注意が必要です。

最低でも本記事で紹介した金融ライセンスを所持していることが必須で、なるべく取得難易度が高く、規制の厳しい金融ライセンスを所持している海外FX業者が好ましいといえます。

【まとめ】金融ライセンスを取得済みで安全に取引可能な海外FX業者の早見表

最後にまとめとして、信頼性の高いライセンスを取得している海外FX業者を一覧表で紹介します。各業者の取得ライセンスやゼロカットシステムの有無、最大レバレッジ、現在のボーナスキャンペーンなども合わせてチェックして、取引の参考にしてください。

スクロールできます
業者名取得金融ライセンスゼロカットシステムの有無最大レバレッジ現在のボーナスキャンペーン
XMTrading
XMTradingのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・モーリシャス(FSC)

・イギリス(FCA
キプロスCySEC
ベリーズFSC
・オーストラリアASIC
ドバイDFSA
有り1,000倍・新規口座開設13,000円
・入金ボーナス100%+20%
・ロイヤリティプログラム
Vantage
Vantageのアイコン画像
イギリス(FCA)
バヌアツ(VFSC
・ケイマン諸島CIMA
・オーストラリア(ASIC
・南アフリカ(FSCA
有り2,000倍・新規口座開設1万5,000円
・最大150万円の入金ボーナス
・取引ボーナス
・プレミアム預金プロ―モーション
・無料VPS
FXGT
FXGT.comのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・キプロス(CySEC
・南アフリカ(FSCA
・バヌアツ(VFSC
有り5,000倍・15,000円の口座開設ボーナス
・入金ボーナス100%+20%
・Optimusリベート・キャッシュバック・プログラム(最大30%還元)
・25% Loyaltyボーナス
(最大70万円)

・10% Loyalty暗号資産
ブースター
・無制限キャッシュバック
HFM
HFMのアイコン画像
・キプロス(CySEC
・モーリシャス(FSC
・セーシェル(FSA
・南アフリカ(FSCA
・ドバイ(DFSA
・イギリス(FCA
・ケニア(CMA
有り2,000倍・最大75万円の20%入金ボーナス
・ROFM(キャッシュバック)
・ロイヤリティプログラム

Exness
Exnessのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・キュラソー(CBCS)
・英領バージン諸島(BVIFSC)

・イギリス(FCA
・キプロスCySEC

・モーリシャス(FSC
・南アフリカ(FSCA
・ケニア(CMA
有り無制限なし
TitanFX
TitanFXのアイコン画像
・バヌアツ(VFSC)
・セーシェル(FSA
・モーリシャス(FSC
・英領バージン諸島(BVIFSC)
有り500倍なし
AXIORY
AXIORYのアイコン画像
・ベリーズ(IFSC)有り2,000倍なし
IFOREX
IFOREXのアイコン画像
キプロスCySEC
・英領バージン諸島(BVIFSC)
有り400倍・125%入金ボーナス
・bitwallet初回入金50ドルボーナス
・ペンディングボーナス
ThreeTrader
ThreeTraderのアイコン画像
・バヌアツ(VFSC)有り1,000倍・新規口座開設10ドルボーナス
(規定人数到達次第終了)
BigBoss
BigBossのサムネイル画像
・セントビンセントおよび
グレナディーン諸島(SVGIBC)
・コモロ連合(MISA)
・カナダ(FINTRAC)
・ジョージア(FIZ)
有り2,222倍・新規口座開設5,000円
・100%+50%入金ボーナス
・BigBossポイント
IS6FX
IS6FXのアイコン画像
・セントビンセントおよび
グレナディーン諸島(SVGIBC)
・コモロ連合(MISA)
・モーリシャス(FSC)
有り6,666倍・口座開設ボーナス3,000円
・ウェルカムボーナスリセット

キャンペーン
海外FX業者の早見表
スクロールできます
業者名取得金融ライセンスゼロカットシステムの有無最大レバレッジ現在のボーナスキャンペーン
XMTrading
XMTradingのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・モーリシャス(FSC)

・イギリス(FCA
キプロスCySEC
ベリーズFSC
・オーストラリアASIC
ドバイDFSA
有り1,000倍・新規口座開設13,000円
・入金ボーナス100%+20%
・ロイヤリティプログラム
Vantage
Vantageのアイコン画像
イギリス(FCA)
バヌアツ(VFSC
・ケイマン諸島CIMA
・オーストラリア(ASIC
・南アフリカ(FSCA
有り2,000倍・新規口座開設1万5,000円
・最大150万円の入金ボーナス
・取引ボーナス
・プレミアム預金プロ―モーション
・無料VPS
FXGT
FXGT.comのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・キプロス(CySEC
・南アフリカ(FSCA
・バヌアツ(VFSC
有り5,000倍・15,000円の口座開設ボーナス
・入金ボーナス100%+20%
・Optimusリベート・キャッシュバック・プログラム(最大30%還元)
・25% Loyaltyボーナス
(最大70万円)

・10% Loyalty暗号資産
ブースター
・無制限キャッシュバック
HFM
HFMのアイコン画像
・キプロス(CySEC
・モーリシャス(FSC
・セーシェル(FSA
・南アフリカ(FSCA
・ドバイ(DFSA
・イギリス(FCA
・ケニア(CMA
有り2,000倍・最大75万円の20%入金ボーナス
・ROFM(キャッシュバック)
・ロイヤリティプログラム
Exness
Exnessのアイコン画像
・セーシェル(FSA)
・キュラソー(CBCS)
・英領バージン諸島(BVIFSC)

・イギリス(FCA
・キプロスCySEC

・モーリシャス(FSC
・南アフリカ(FSCA
・ケニア(CMA
有り無制限なし
TitanFX
TitanFXのアイコン画像
・バヌアツ(VFSC)
・セーシェル(FSA
・モーリシャス(FSC
・英領バージン諸島(BVIFSC)
有り500倍なし
AXIORY
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・ベリーズ(IFSC)有り2,000倍なし
IFOREX
IFOREXのアイコン画像
キプロスCySEC
・英領バージン諸島(BVIFSC)
有り400倍・125%入金ボーナス
・bitwallet初回入金50ドルボーナス
・ペンディングボーナス
ThreeTrader
ThreeTraderのアイコン画像
バヌアツ(VFSC)有り1,000倍・新規口座開設10ドルボーナス
(規定人数到達次第終了)
BigBoss
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・セントビンセントおよび
グレナディーン諸島(SVGIBC)
・コモロ連合(MISA)
・カナダ(FINTRAC)
・ジョージア(FIZ)
有り2,222倍・新規口座開設5,000円
・100%+50%入金ボーナス
・BigBossポイント
IS6FX
IS6FXのアイコン画像
・セントビンセントおよび
グレナディーン諸島(SVGIBC)

・コモロ連合(MISA)
・モーリシャス(FSC)
有り6,666倍・口座開設ボーナス3,000円
・ウェルカムボーナスリセット

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海外FX業者の早見表

本記事では海外FXの金融ライセンスに関する詳細や役割、取得方法や取得している業者について初心者にもわかりやすく解説してきました。

この記事で分かること

海外FXの市場は多様であり、信頼できる業者を選ぶためには、どの金融ライセンスを持っているかが重要な指標となります。

本記事では、特に信頼性の高い金融ライセンスを15種類紹介し、それに基づいた業者選びの重要性を解説しました。

これから海外FXを始める方は、ぜひこの情報を参考にして、安全な取引を行ってください。

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